修理したばかりの蝶番に見とれながら、扉を開けると、
また、カワカマス君が立っていた。
カワカマス君の体には、歩いてくる道々、つけたであろう様々な形の黄葉がはりついていた。
雨に打ち落とされた茶黄色の葉がひらひらと舞って、ボクの白い毛にはりついた。ボクは、かつて、雨の後に来たカワカマス君の体に、きれいな黄色の葉が何枚かくっついていたことを思い出した。
ボクはこのあいだ森の秘密の場所でとってきた、ヤマドリタケやハラタケを網目の袋に入れてあげた。
僕は小さな袋に入っている塩と、紙にくるんだバターを編目の袋に入れて渡した。
カワカマス君は、スメタナの入った瓶をかかえて、ゆっくり秋の草原を下っていった。
でも、今日はカワカマス君の名の日なので、ボクは少しばかり晴れやかな気分で、砂糖の袋と紅茶の箱をかかえて、スロープを下っていった。
松虫草の群落を、踏まないように気をつけながら横切って、
その草地のまん中に、ボクのサモワールが光っていた。
雨が降りそうだから、僕の傘を使ってくださいね」と、言って、軒板にもう開いた格好でぶら下がっている、大きなコウモリ傘をボクに渡した。
ボクは毛布にくるまりながら、秋のうちに集めておいた小枝を少しずつ燃やして、冬の日々を過ごしていた。
どんなキノコもカゴいっぱいとることができた。