Fake Kabakov Project-10

そう 霊感がそのように書取らせるのだ
わたしの自由な夢は
いつもかしこへ 屈辱のあるところ
汚泥と 闇と 貧困のある方へ寄って行く

かしこへ かしこへ よりへりくだり より低く----
そこからは別の世がよく見える‥‥
君は見たか ゴミ集積所に群れるハイチの子供たちを
あるいは 一発で撃ち抜かれたパレスチナの子供の頭を?

見透かし難い生の恐怖に
早く 早く眼を開け
大いなる嵐がおまえの祖国(くに)の
すべてを吹き払ってしまわぬ間に----
公正なる憤怒を熟させよ

それができぬなら---憂鬱とふさぎの虫を
おまえの中に貯えて 燃やせ‥‥
しかし ただ----この偽りの生活の
脂ぎった紅だけは拭い去れ
臆病なもぐらのように この世を避けて
地面を掘ってもぐれ----そこにじっとしていろ
一生涯この世を激しく憎み
軽蔑しながら
未来などは見るな----
今日のこの日に 否と言え!

1911-14 アレクサンドル・ブローク
ブローク詩集(小平 武訳)より
原意を無視し、意図的に引用・改変・改造 by Jun Machida

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