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◆ このページがこの展覧会から始まるとは……。もう少し軽いものから始めたかった。 占領軍イスラエルに対する、ごくふつーの人々のレジスタンス=インティファーダの最初の犠牲者 たち、つまりイスラエル軍に殺された、パレスチナの老人、女性、子供達も含めて、100人。 かれら、彼女たちの生のしるし、めいめい一点ずつ。 ボクシングのグローブ、ベルト、スカーフ、ノート、思い出のアルバム、 ---- 芸術が越えられないものは、確かに存在する。-----
◆ これは、遺品展ではなく、追悼展でもない。優れた美術展である。 遺品は犠牲者の悲劇を想起させ、同情を誘う。 美術家によって選ばれ、麦わらのリボンをかけられ、透明な箱に入れられた遺品は、美しいオブジェに変わる。 普通のシャツ、ありふれたジーンズ、数式が書かれたノートと隅っこのイタズラ書き、壊れたカップ、コンクリートのこびり着いた左官ごて、配管用の糸屑…… 何の変哲もない品々が、すばらしく美しいオブジェになる。 現代美術の可能性をこのような展示に見ることは、悲しむべきなのか? Text by Mariko Machida 2003.8 |
★ サカキーニ文化センター(パレスチナ)
この展覧会を企画実行した現地組織のサイト。パレスチナのアーチストの作品が少し見られる。
BGMはサミール・ジュブラン
★ 「シャヒード、100の命」展
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会期 2003.8.1〜8.10 会場 キッド・アイラック・アート・ホール(明大前駅下車)