こうして細かな遠近が積み重なっていく。
樹肌を流れる雨滴、カワカマス君に付いた枯れ葉、月の光に点滅し遠ざかるサモワール、空に浮かぶ雲、雪原。

河のほとりで水面を見つめる時、それも垂直な遠近だろう。












あるいは明暗でさえ、ある種、遠近の暗喩として機能する。





暗いキノコの森、そこを抜けると明るい草原、それは小さな希望、再会の暗示だ。






 




そして、もっとも小さく、美しい遠近は、
松虫草の群落と、
それを踏まないように歩くヤンの眼。




そして草むらに横たわり、
松虫草やアザミを見上げる読者の目に映る世界だ。

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