3日目 1987/12/31

 古い民家が残っている旧市街スルタン・アフメット地区を再訪した後、
 トルコ・イスラム博物館を訪れる。
 中に広いカフェがあって、客は私たちだけ。
 暇そうなスタッフが、キッチンでトルココーヒーの入れ方を見せてくれる。
 カフェのテーブルクロスに使っている大ぶりの柄の布を売っていたので、
 買ってスカーフに愛用している。

 1日目に朝食をとったイェシルエヴの隣にBazar of Istanbul Artsという施設が
 出来ていた。18世紀に工科学校だった建物が改装されて、それぞれの部屋に
 美術家工芸家が店を出している。カリグラフィーとミニアチュールと花の絵
 の額を買って、中庭に出ると、角で数人の若者がネイ(縦笛)やウード(弦楽器)
 を演奏している。近づいて、「この曲知ってる?」と口ずさんでみたが、昔
 日本でも流行ったウシクダルの曲に間違われてしまった。手帳に歌詞をメモ
 しておいたので、それを見せると。「ああこれね」とすぐさま演奏してくれた。
 私の大好きなスーフィー(イスラム神秘主義)の曲で、"キャラバンは行ってしま
 った。お前はまだ眠っているのか"と、身につまされる歌詞だ。
 伝統美術の店の中庭で、伝統音楽の演奏を聴く!何という幸せな出会い!
 その中の1人のネイ奏者が、後日ホテルまで来てくれると言う。

 ここからトプカプ宮殿はすぐ近くだ。
 前回見ていなかった宮殿内の施設を見て、
 隣接するギュルハネ公園脇にある民族博物館でスルタンのトイレなどを見て、
 公園内の小さな動物園に向かう。
 左右の目の色が異なるアンカラネコがお目当てだ。
 ネコもいたけれど、犬とかラクダとかがいて、変わった動物園だ。
 ケースに並んだ料理を指さして何皿も注文する。
 テーブルに着くと下には猫がいて、小皿に山盛りの小アジの
 フライを1匹ずつ下にいる猫に落とすのが楽しくて、
 結局小アジはみんな猫たちが平らげてしまった。

 斜め前のテーブルには、トルコ人の若者達の中にロシア人俳優
 に似た男性が一人交じっている。亡命ロシア人の末裔?

 しばらくするとロマの楽団が登場して、演奏を始める。
 ロマの演奏を生で聴くのは初めての経験だったので、大興奮で
 チップを弾んだ。手帳を見せて、メモしておいたtifteleliをリク
 エストすると、リーダーのロマが目をこすって、目が悪くて見
 えないと言うような仕草をする。隣のテーブルの客がメモを読
 んでくれて、了解したロマの演奏が始まった。ロマは目が悪い
 のではなく、文盲だったのだろう。
 リクエストした曲は"イスタンブールの漁師の踊り"だった。
 リクエストしなくてもロマたちが演奏していたのはこの類の曲
 だったのかもしれない。
 ともかく、またチップを弾んで1987年最後の夜は更けていく。
 ガラタ橋を渡り、チュネルに乗って、
 イスティクラル通りの中程バルック・パザールの果物屋などを覗いて、
 隣接するチェチェッキ・パサージの店で夕食にする。
地図1
スルタン・アフメット地区の古い民家
民家の向こうにスルタン・アフメット・ジャーミ
トルコ・イスラム美術館内のカフェ
カリグラフィー作家
ミニアチュール作家
スルタンのトイレ
動物園のアンカラ猫
トプカプ宮殿 レバノン・キオスクのモダンな外壁
夜のガラタ橋
ガラタ橋脇の魚屋
バルック・パザールの果物屋
演奏するロマ楽団
小アジのフライはほとんど猫に
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2回目のイスタンブール 目次 
top ネコのヤンと愉快な仲間たち 
カリグラフィー
ミニアチュール
ペルシャの恋物語「ホスローとシーリーン」の一場面
花の絵