冬の冷たい風と春の高い光の中で、ボクは小屋の外板にもたれながら、わずかに残った枯れ草が、凍った雪に突っ伏して、小刻みに震える様を眺めていた。新しい生命が生まれるたびに、古びた生命は終わりを迎えなければならないという、ありきたりの生命観に異を唱えて、我々はまだ生き続けるのだと必死に主張しているようだった。

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