ねむれ  2016.2.7
昨年末、何年か前の写真を見つけた。
小さな手織りのキリムの上で、ヤンの人形が横になっている。
この写真と去年読んで記憶に残っている詩が結びついて、今年の新年のご挨拶代わりのハガキになった。

「ねむれ」と呼びかけているのは、
セルビアの詩人が読者のわたしに……?
詩人がヤンに? 町田純に?
純がヤンに呼びかけているような気もする、
「ねむれ、ぼくだよ」と。
わたしも眠ってしまいたい、ずっといつまでも……

ヤンの人形の目は開いたままであることに気付いた。
それで、付け足しの2行。「目覚めた? わたしよ」
目覚めて、ヤン。目覚めて、純。

昨夜、町田純の高校・大学からの親友が尋ねて来てくれた。昨年末、夢に町田純が出てきたと言う。夢の中の純は「おれ、眠るよ」と言って、眠り続けているのだそうだ。
ハガキの詩との不思議な符合。

町田純は眠ってしまって眠り続けている。5年が過ぎた。
目覚めない。

                 by Mariko Machida